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蜂の子加工飲食品の製造方法、及び蜂の子加工飲食品

書誌

特許番号 特開2009-254348(P2009-254348A)
発明の名称 蜂の子加工飲食品の製造方法、及び蜂の子加工飲食品
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
出願番号 特願2009-7609(P2009-7609)
出願日 平成21年1月16日(2009.1.16)
公開番号 特開2009-254348(P2009-254348A)
公開日 平成21年11月5日(2009.11.5)

特許権者

識別番号 399080490
氏名又は名称 株式会社シンギー

発明者

氏名 李 宝珠

弁理士

氏名又は名称 生富 成一、渡辺 喜平

詳細な説明

【技術分野】
【0001】
本発明は、蜂の子加工飲食品の製造方法に関し、特に、蜂の子の栄養価や健康増進効果を高めるとともに、アレルゲン性の低い蜂の子加工飲食品を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、蜂の子は、栄養価の高い食材として利用されており、蜜蜂やスズメバチ、クロスズメバチ、クマバチ、アシナガバチなどの蜂の子が食用されている。これらは、佃煮や、炒め物、蒸し焼き、炊き込みなどに利用され、近年では、高級珍味としても用いられている。
このような蜂の子の中でも、雄蜂の子は、極めて豊富なタンパク質を含有していることが知られている。
【0003】
特に、蜜蜂の場合、雄蜂の子は約21日齢まで発育すると羽化直前の蛹(さなぎ)になるが、このときの個体は、成熟しているが未だ羽化していないため、極めて豊富なタンパク質を含有している。
すなわち、このときの雄蜂の子には、高タンパク、低脂肪という特徴があり、多種のビタミンと微量元素、糖類、コリン(choline)、ホルモン、酵素類などの活性物質が豊富に含まれている。
【0004】
また、雄蜂の子には、人体に必須とされている8種のアミノ酸も含まれており、特にグルタミン酸、アスパラギン酸、アラニンの含有量が比較的高い。
さらに、乾燥後の雄蜂の子には、約50%のタンパク質と約28.7%の脂肪が含まれており、雄蜂の子は、優れた栄養健康食材である。
【0005】
ここで、蜂の子のタンパク質は、通常、全て巨大分子で存在している。
一方、人体内における消化吸収には一定の時間が必要であるが、食物が人体内で滞留する時間には限りがあり、また消化酵素と食物の接触にも限りがある。
したがって、タンパク質は、体内で完全に吸収して利用されているのではなく、実際にはその利用率は大変低い。
【0006】
このような問題に対し、蜂の子のタンパク質を、天然の専用酵素等を用いて、ポリペプチド(polypeptide)、オリゴペプチド(oligopeptide)、アミノ酸と段階的に分解し、人体におけるその利用率を高める工夫がなされている。
すなわち、このように蜂の子のタンパク質を酵素分解することで、人体への吸収性を高めることができ、蜂の子の健康増進効果を向上させることが可能である。
【0007】
蜂の子のタンパク質の酵素分解に関連する先行技術としては、例えば本出願人による特許文献1に記載の蜜蜂の子加工食品の製造方法及び蜜蜂の子加工食品を挙げることができる。
この先行技術によれば、蜜蜂の子をプロテアーゼで処理することで、タンパク質を分解して低分子化することができるため、蜜蜂の子加工食品の食感を改善することができるとともに、腸内における吸収性を向上させ、生理活性を高めることが可能となっている。
【0008】
【特許文献1】 特開2006-211946号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、蜂の子の脂肪は、酵素分解の過程においてタンパク質の周囲に脂肪の固まりを形成する。すなわち、蜂の子を粉砕して水に懸濁すると、脂肪は水に溶けず、油滴として分散している。この分散している油は、蜂の子のタンパク質及び分解酵素をそれぞれ包み込んでいることが考えられる。
このため、タンパク質とその分解酵素の結合が阻害され、蜂の子のタンパク質の酵素分解が充分に行えず、この点で改良の余地があった。
【0010】
そこで、本発明者は鋭意研究を重ね、蜂の子のタンパク質を充分に分解するため、まず蜂の子の体内の脂肪を酵素分解し、その後にタンパク質分解酵素を添加すれば、タンパク質の分解を充分に行うことができることを見出し、本発明を完成させた。
【0011】
すなわち、本発明では、タンパク質の分解に先立って、蜂の子の脂肪を、脂肪酸、グリセリン、不飽和脂肪酸(unsaturated  fatty  acid)などの物質に分解する。そして、タンパク質を充分に表面に出した後、効果的にプロテアーゼ(protease)等と接触させて触媒効率を高め、蜂の子のタンパク質等の分解をより効率的に行うことを可能としている。
【0012】
また、雄蜂の子のタンパク質には、アレルギー性体質の人々に対してアレルギー反応を起こすアレルゲン(allergen)となるものも存在している。
本発明によれば、蜂の子のタンパク質の分解が充分に行えるため、このようなアレルゲンとなるタンパク質も分解することができ、蜂の子加工飲食品のアレルゲン性を効果的に改善することが可能となっている。
【0013】
また、蜂の子のタンパク質の分解を充分に行って、各種ペプチドを生成することにより、蜂の子のタンパク質が有していない重要な各種効能を蜂の子加工飲食品に付加することも可能となっている。
【0014】
さらに、雄蜂の子に含まれる糖質成分には、人体が適切に消化を行うことができないものが含まれている。
本発明によれば、β-マンノシダーゼを用いることにより、このような糖質成分を分解して、オリゴ糖(oligosaccharide)成分を人体に吸収させやすくすることが可能となっている。
【0015】
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、蜂の子の粉末を含む懸濁液に脂質分解酵素を添加して脂質を分解した後、タンパク質分解酵素を添加してタンパク質を分解することで、蜂の子のタンパク質の分解を充分に行うことを可能とした蜂の子加工飲食品の製造方法、及び蜂の子加工飲食品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するため、本発明の蜂の子加工飲食品の製造方法は、乾燥させた蜂の子を粉末化して水に懸濁し、脂質分解酵素を添加して蜂の子の脂質を分解する工程と、この工程の後に、タンパク質分解酵素を添加して蜂の子のタンパク質を分解する工程を有する方法としてある。
【0017】
蜂の子加工飲食品の製造方法をこのような方法にすれば、タンパク質の周囲に形成された脂肪の固まりを分解して、タンパク質とその分解酵素の接触効率を高めることができる。
このため、蜂の子のタンパク質を効率良く分解することが可能となる。
【0018】
また、本発明の蜂の子加工飲食品の製造方法は、タンパク質の分解工程の後に、糖質分解酵素を添加して蜂の子の糖質を分解する工程を有する方法としてある。
蜂の子加工飲食品の製造方法をこのような方法にすれば、蜂の子に含有されており、かつ、人体に自然に存在する酵素では分解できない有用な糖質などを効率的に分解することができる。
このため、このような有用な糖質などから得られる成分を人体に効果的に吸収させることが可能となる。
【0019】
また、本発明の蜂の子加工飲食品の製造方法は、脂質の分解工程において、懸濁液のpHを6.0~11.0に調節し、リパーゼを添加して脂質を分解する方法としてある。
蜂の子加工飲食品の製造方法をこのようにすれば、リパーゼを適切に活性化させて、脂質を効率的に分解できる。
このため、蜂の子のタンパク質の周囲に形成された脂肪の固まりを取り除くことができ、蜂の子のタンパク質をより効率的に分解することが可能となる。
【0020】
また、本発明の蜂の子加工飲食品の製造方法は、タンパク質分解酵素として、少なくとも酸性プロテアーゼ、アルカリプロテアーゼ、中性プロテアーゼ、複合プロテアーゼ、トリプシン、ペプシン、パパイン、ブロメライン、ペプチダーゼ、フレーバーザイム、植物性プロテアーゼ、動物性プロテアーゼ、カテプシンA、カテプシンB、カテプシンC、カテプシンD、カテプシンE、又はキモトリプシンのいずれかを用いる方法としてある。
【0021】
また、本発明の蜂の子加工飲食品の製造方法は、タンパク質の分解工程を、以下の条件から選択された一の条件、又は二以上の条件を順次組み合わせた条件により行うものとしてある。
(1)懸濁液のpHを2.0~4.0に調節し、タンパク質分解酵素として酸性プロテアーゼを添加する。
(2)懸濁液のpHを8.0~11.0に調節し、タンパク質分解酵素としてアルカリプロテアーゼを添加する。
【0022】
(3)懸濁液のpHを6.5~7.5に調節し、タンパク質分解酵素として中性プロテアーゼを添加する。
(4)懸濁液のpHを6.5~7.5に調節し、タンパク質分解酵素として複合プロテアーゼを添加する。
【0023】
(5)懸濁液のpHを5.5~7.0に調節し、タンパク質分解酵素としてトリプシンを添加する。
(6)懸濁液のpHを1.5~2.0に調節し、タンパク質分解酵素としてペプシンを添加する。
【0024】
(7)懸濁液のpHを3.0~9.0に調節し、タンパク質分解酵素としてパパインを添加する。
(8)懸濁液のpHを6.0~6.8に調節し、タンパク質分解酵素としてブロメラインを添加する。
【0025】
(9)懸濁液のpHを4.0~8.0に調節し、タンパク質分解酵素としてペプチダーゼを添加する。
(10)懸濁液のpHを6.0~6.5に調節し、タンパク質分解酵素としてフレーバーザイムを添加する。
【0026】
(11)懸濁液のpHを5.5~7.5に調節し、タンパク質分解酵素として植物性プロテアーゼを添加する。
(12)懸濁液のpHを6.5~7.0に調節し、タンパク質分解酵素として動物性プロテアーゼを添加する。
【0027】
(13)懸濁液のpHを3.0~6.0に調節し、タンパク質分解酵素としてカテプシンAを添加する。
(14)懸濁液のpHを5.0~7.0に調節し、タンパク質分解酵素としてカテプシンBを添加する。
【0028】
(15)懸濁液のpHを6.0~7.0に調節し、タンパク質分解酵素としてカテプシンCを添加する。
(16)懸濁液のpHを2.5~4.0に調節し、タンパク質分解酵素としてカテプシンDを添加する。
【0029】
(17)懸濁液のpHを2.5~4.0に調節し、タンパク質分解酵素としてカテプシンEを添加する。
(18)懸濁液のpHを5.5~7.0に調節し、タンパク質分解酵素としてキモトリプシンを添加する。
【0030】
蜂の子加工飲食品の製造方法をこのような方法にすれば、それぞれのタンパク質分解酵素を活性化して、蜂の子に含まれる様々なタンパク質を充分に分解することができる。
このため、人体に吸収しやすい栄養成分を多く含む、健康保健機能の高い蜂の子加工飲食品を提供することが可能となる。
【0031】
また、本発明の蜂の子加工飲食品の製造方法は、糖質分解酵素としてβ-マンノシダーゼを用いる方法としてある。
また、糖質の分解工程において、懸濁液のpHを5.4~7.0に調節し、β-マンノシダーゼを添加して糖質を分解する方法としてある。
【0032】
蜂の子加工飲食品の製造方法をこのような方法にすれば、β-マンノシダーゼを活性化して、オリゴ糖成分を効率的に得ることができ、栄養価の高い蜂の子加工飲食品を提供することが可能となる。
【0033】
また、本発明の蜂の子加工飲食品の製造方法は、糖質を分解して得られた分解溶液を加熱し、当該分解溶液に含まれる酵素を不活性化して濾過する工程を有する方法としてある。
蜂の子加工飲食品の製造方法をこのような方法とすれば、蜂の子の有効成分を豊富に含む蜂の子加工飲食品を提供することが可能となる。
【0034】
また、本発明の蜂の子加工飲食品の製造方法は、蜂の子として、蜜蜂の雄の子を用いることが好ましい。
また、蜜蜂の雄の子として、生後20~23日齢の蛹を用いることが好ましい。
【0035】
蜜蜂の雄は、女王蜂と交尾するためだけに生まれてくる数少ない蜂であり、雌蜂である働き蜂や女王蜂にはない、特有のホルモン等を含んでいる。
また、生後(産卵後)20~23日の雄蜂の子、特に21日齢の蛹は、羽化直前の蛹の状態であり、アミノ酸等の栄養源の含量が最も高く、羽化ホルモン等も最も多く生産されている。
このため、このような蜂の子を用いることで、極めて栄養価に優れた蜂の子加工飲食品を提供することが可能となる。
【0036】
また、本発明の蜂の子加工飲食品は、上記のいずれかの方法により製造されたものとしてある。
このようにして製造された蜂の子加工飲食品は、脂質やタンパク質等を効率的に分解して得られるものであり、極めて栄養価に優れた蜂の子加工飲食品である。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、蜂の子のタンパク質分解を効率的かつ充分に行うことができ、雄蜂の子加工飲食品の栄養的価値を一層高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の一実施形態において使用する酵素の最適pHの範囲を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態の蜂の子加工飲食品の製造工程を示す図である。
【図3】実施例1により脂質分解に次いでタンパク質分解を行って得られた蜂の子乾燥粉末からのペプチドのMSスペクトル(マススペクトル)を示す図である。
【図4】比較例1により脂質分解及びタンパク酵素分解を行うことなく得られた蜂の子乾燥粉末からのペプチドのMSスペクトルを示す図である。
【図5】比較例2により脂質分解を行うことなくタンパク質分解を行って得られた蜂の子乾燥粉末からのペプチドのMSスペクトルを示す図である。
【図6】実施例1により脂質分解に次いでタンパク質分解を行って得られた蜂の子乾燥粉末からの糖質のMSスペクトルを示す図である。
【図7】実施例2により、脂質分解に次いでタンパク質分解を行い、次いでさらに糖質分解を行って得られた蜂の子乾燥粉末からの糖質のMSスペクトルを示す図である。
【図8】比較例1により、これらのいずれの酵素分解も行うことなく得られた蜂の子乾燥
粉末からの糖質のMSスペクトルを示す図である。
【図9】比較例3により、脂質分解とタンパク質分解を行うことなく糖質分解を行って得られた蜂の子乾燥粉末からの糖質のMSスペクトルを示す図である。
【図10】実施例及び比較例の各分解条件を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本発明は、乾燥させた蜂の子を粉末化して水に懸濁し、この懸濁液のpHを調節して、脂質分解酵素を添加して脂質を分解し、再度懸濁液のpHを調節して、タンパク質分解酵素を添加してタンパク質を分解することを特徴とする。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0040】
(蜂の子)
まず、本実施形態の蜂の子加工飲食品の製造方法において、原料として用いる蜂の子について説明する。
本実施形態で用いる蜂の子としては、特に限定されるものではないが、蜜蜂の雄で約21日齢まで発育したときの個体を用いることが好ましい。
このとき、蜜蜂の雄の子は蛹の状態になっており、成熟しているものの未だ羽化しておらず、極めて豊富なタンパク質を含有している。
【0041】
次に、本実施形態において使用する酵素、及びその酵素による分解について、図1を参照して説明する。同図は、本実施形態において使用する酵素の最適pHの範囲を示すものである。
【0042】
<脂質分解酵素>
(リパーゼ)
リパーゼ(Lipase)は、脂肪を脂肪酸、グリセリン、不飽和脂肪酸(unsaturated  fatty  acid)などの物質に分解する。
リパーゼは、pHが6.0~11.0、温度が15~45℃の溶液において活性化し、脂肪を効率的に分解する。
【0043】
<糖質分解酵素>
(β-マンノシダーゼ)
β-マンノシダーゼ(β-mannosidase  EC3.2.1.25)は、マンナン(mannan)をオリゴ糖などの小分子量の糖質に分解する酵素である。
β-マンノシダーゼは、pHが5.4~7.0、温度が30~40℃の溶液において活性化し、マンナン(mannan)を効率的に分解する。
【0044】
マンナンは高い親水性を有し、単胃動物(Monogastric  Animals)の消化道内で大量に吸水して消化道内容物の粘度を増加させ、胃腸の蠕動に抵抗して、動物の栄養物質の消化と吸収に直接影響を与える多糖である。
分解により得られるオリゴ糖は一種の新型の効能性オリゴ糖である。これは、人体と動物の腸道内の有益菌であるビフィズス菌(Bacillus  bifidus)の増殖を促進させ、腸道内の菌群構造を改善する、優れたビフィズス因子(Bifidus  Factor)の一種である。
【0045】
マンナナーゼ(Mannanase)は、N結合型糖鎖(N-linked  glycosylation,N-glycosylation)を加水分解する酵素であり、結合サイト(Binding
Sites)の違いによって、主にα-マンノシダーゼ(α-mannosidase)とβ-マンノシダーゼ(β-mannosidase)に分けられる。
α-マンノシダーゼは、マンノース(mannose)α-1,2、α-1,3、α-1,6グルコシド結合(glucosidic  bonds)を加水分解し、β-マンノシダーゼはβ-1,4グルコシド結合を加
水分解する。
【0046】
このβ-マンノシダーゼは一種のヘミセルラーゼ(hemicellulase)であり、エキソ(exo-外切)方式で、β-1,4グルコシド結合を分解する。β-マンノシダーゼは、グルコマンナン(Glucomannan)や、ガラクトマンナン(galactomannan)などの基質を分解することができ、マンノース残基を非還元末端から一残基ごとに加水分解する。
【0047】
ヘミセルラーゼには、β-マンナナーゼ(β-Mannanase)やキシラナーゼ(endoxylanase)などのエンド型(endo-type)酵素、β-グルコシダーゼ(β-glucosidase、別名セロビアーゼ)、β-マンノシダーゼ、β-キシロシダーゼ(β-xylosidase)などのエキソ型(exo-type)酵素、及び、α-L-アラビノフラノシダーゼ(α-L-arabinofuranosidase)、ガラクトシダーゼ(galactosidase)、グルクロニダーゼ(Glucuronidase)などの酵素がある。
【0048】
マンナンを完全に酵素分解するためには、マンナン-endo-1,4-β-マンノシダーゼ(mannan-endo-1,4-β-mannosidase  EC3.2.1.78)、β-マンノシダーゼ(β-mannosidase  EC3.2.1.25)、β-グルコシダーゼ、α-ガラクトシダーゼ(α-galactosidase  EC3.2.1.22)、アセチルエステラーゼ(acetylesterase  EC3.1.1.6)の共同作用が必要である。
【0049】
異なる由来のβ-マンノシダーゼによる、異なる由来の基質(substrate)に対する作用の程度、及びその加水分解産物は同じではない。
すなわち、β-マンノシダーゼが基質を加水分解する方式と程度は、主に基質におけるガラクトース(Galactose)残基とブドウ糖(glucose)残基の主鎖(main  chain)の位置や含有量等の程度に関係する。また、基質自体の物理状態も酵素の基質に対する作用に影響を与える。例えば、結晶状態のマンナンは分解されにくい。
【0050】
マンナンは、β-マンノシダーゼにより分解した後に、HPLC又はペーパークロマトグラフィーを行うと、主な産物としてオリゴサッカライド(Oligosaccharides、一般に2~10の残基)が分離される。
その産物の重合度の大小は、酵素・基質の由来に関係し、相対的に単糖(マンノース  mannose)は、大変少ないかほとんど生産されない。
オリゴサッカライドは、一種の新型の効能性オリゴ糖であり、人体や動物の腸道内におけるビフィズス菌などの有益菌の増殖を促進し、腸道内菌群の結合を改善させる、一種の優れたビフィズス因子である。
【0051】
また、β-マンノシダーゼは、マンナンやグルコマンナン等を加水分解して、マンナンオリゴ糖(mannan  oligosaccharide,MOS)を生成する。
このマンナンオリゴ糖も、ビフィズス菌の増殖因子として、効果的に体内の有益菌を自然増殖させ、腸道菌群の結合を改善し、腸道消化系統の効能を調節する。
このため、マンナンオリゴ糖は、保肝、抗腫瘍、免疫力増強、腸道の蠕動を強化し、コレステロールを低減し、抗老衰等の生理活性を有している。また、各種腸道疾病にも適用でき、人の健康、特に老年期と児童の日常的な健康に好適なものである。
【0052】
また、マンナンオリゴ糖は、優れた甘味品質を有しており、ショ糖の代わりとなる一種の優良な食品添加剤として、飲料、飴、ビスケット、果実缶詰、乳製品等の食品に用いられ、国外では広く健康食品にも利用されている。
このため、食品に一定量のβ-マンノシダーゼを添加することにより、栄養物質の腸道内における蓄積を低下させることができ、栄養物質の消化吸収を改善することが可能となる。
【0053】
<タンパク質分解酵素>
タンパク質分解酵素は、体内の消化器官などにおいてタンパク質を分解することで、低分子ペプチド類を生成し、体内への吸収を可能にする物質である。タンパク質分解酵素には、以下に示すように種々のものがあるが、いずれも小分子ペプチドを得るために使用されるものであり、本発明を実施するにあたり、その種類を限定する必要はない。
【0054】
ペプチドとは、一般に分子量が180~5000の範囲のアミノ酸鎖をいい、分子量が1000~5000の範囲のものを大分子ペプチド、分子量が180~1000の範囲のものを小分子ペプチド(低分子ペプチド、オリゴペプチド)と称する。また、小分子活性ポリペプチドを総称して、「生理活性ペプチド(Bioactive  Peptides)」という。
【0055】
酵素分解により得られる低分子ペプチドは、完全な遊離アミノ酸よりも容易かつ迅速に人体に吸収されて利用される。
また、このような低分子ペプチドには、人体の成長、発育に必要な栄養物質を提供するだけでなく、血栓、高脂血、高血圧を予防治療し、老化を遅らせ、抗疲労効果、有機体免疫力を高めることの可能な独特の生物学的効能を有するものもある。
このような低分子ペプチドの生物学的効能は、もとの食品のタンパク質やその基本結合単位であるアミノ酸にはなく、重要な生理機能である。
【0056】
すなわち、このような低分子ペプチドは、生理活性ペプチドとして極めて強い活性と多様性を有しており、研究が進むにつれ、全世界において日増しに注目を受けるものとなってきており、科学技術界、医学界、栄養学界、食品学界など様々な分野において重視されている。
【0057】
例えば、低分子ペプチドは腸道で特殊な受容体と結合して胃腸道の発育を促して、消化吸収を促進する。また、その一部は血液循環系統に入り、人体免疫機能を調整し、かつ成長軸を通じて動物の成長を調整し、動物の生産潜在能力を充分に発揮させる。以下にその例を挙げて説明する。
【0058】
(1)タンパク質の合成促進
Boza等(1995)、Infante等(1992)、Pullain等(1991)の研究結果によれば、低分子ペプチドを窒素源とした場合、タンパク質沈積は、相応のアミノ酸の一日当たりの摂取量又はタンパク質の一日当たりの摂取量に比較して高くなる。なお、タンパク質沈積の増加は、タンパク質の合成率増加、分解率の相対的な減少を意味する。
【0059】
また、Wang等(1994)の観察によれば、メチオニン(methionine)由来のいくつかのペプチドによる3H-Leuが組織蛋白に入りこむことに対する促進作用は、メチオニン自体よりも大きい。これは、低分子ペプチドが有機体のタンパク質合成に関与し、促進することを示している。
【0060】
(2)ミネラルの吸収と利用の促進
Found(1974)の報告によれば、五配位又は六配位錯体中心の金属イオンは、小腸の絨毛刷子縁を通り低分子ペプチドの形式で吸収される。李永富等(2000)は1~21日齢の子豚にそれぞれ低分子ペプチド鉄、デキストラン鉄(Iron-dextran)を添加し、14日後の血清鉄蛋白含有量を測定した。低分子ペプチド鉄を添加したものは、デキストラン鉄を添加したもの及び対照実験のものより高かった。これは低分子ペプチド錯体形式の鉱物イオンが、より有機体に吸収され易いことを示している。すなわち、低分子ペプチドが鉱物質の吸収と利用効能を促進することを明らかにしている。
【0061】
(3)アミノ酸間の吸収競争を避ける
Rubino等(1971)の観察によれば、ペプチドは遊離アミノ酸の吸収に影響せず、異なる遊離アミノ酸は低分子ペプチドに影響がない。Pharasan等(1987)の報告によれば、リジン(lysine)とアルギニン(Arginine)が遊離形式で存在するとき、両者は相互に吸収位点を競争し、遊離アルギニンは肝門静脈へのリジンの吸収を低減する傾向がある。これに対して、リジンが低分子ペプチド形式で存在するとき、遊離アルギニンはリジンの吸収に対して影響がない。これは、低分子ペプチドが代謝に関与し、アミノ酸間の吸収競争を避けることを示している。
【0062】
(4)有機体の免疫能力を高める
低分子ペプチドは有益菌の繁殖を強化することができ、菌体蛋白の合成を促進し、抗病力を増強する。研究では、低分子ペプチドは効果的に小腸の絨毛刷子縁の酵素の活性上昇を刺激、誘導し、かつ動物の栄養的な健康回復を促進させることが明らかにされている。
【0063】
Jelle(1981,1982)の研究結果は、βカゼイン(β-casein)による加水分解で生産するトリペプチド(tripeptide)とヘキサペプチド(Hexapeptide)がマクロファージ(Macrophage)の捕食作用を促進することを明らかにしている。Storia(1994)は豚骨髄のcDNAをテンプレートにして合成した一種の低分子ペプチドはグラム陰性、陽性菌に対して抑制作用があるとしている。Andeson(1995)は豚の小腸中から分離したN-リジンオリゴペプタイド(Oligopeptide)は大腸桿菌等に抑制作用があるとしている。
【0064】
(5)生理調節作用
低分子ペプチドは、神経伝達物質(Neurotransmitter)として、腸道受容体(acceptor)ホルモンや酵素の分泌を促し、その作用を発揮させる。
例えば、βカゼイン加水分解により生成するカソモルフィン(casomorphin)(7~10個のアミノ酸残基)は、アミノ酸配列順序が内因性オピオイドペプチド(endogenous  opioid  peptide)のものと類似している。また、純化したペンタペプチド(pentapeptide)の「Tyr-Pro-Phe-Gly-Ile」と、テトラペプチド(tetrapeptide)の「Tyr-Pro-Phe-Pro」は、共にオピオイドペプチド(opioid  peptide)の活性を有している。
【0065】
楽国偉等(1997)の報告によれば、小麦穀物蛋白のペプシン(pepsin)の加水分解物中にはオピオイドペプチド(opioid  peptide)の前駆体(precursor)が存在する。これは血液循環に入り込み、神経伝達物質(Neurotransmitter)として生理活性作用を発揮する。
以上の通り、低分子ペプチドには、種々独特の生物学的効能を有するものがある。
【0066】
蜂の子のタンパク質は、通常、巨大分子の形で存在しており、このような巨大分子を人体内で消化吸収するためには、一定の時間が必要である。
一方、食物が人体内で留まれる時間には限りがあり、また消化酵素と食物の接触にも限りがある。
したがって、タンパク質は、一般に体内において完全に吸収利用されることはなく、その利用率は大変低いものとなっている。
【0067】
そこで、本実施形態の蜂の子加工飲食品の製造方法では、蜂の子のタンパク質を、以下のような特定の酵素を用いて分解し、生理活性ペプチドなどのポリペプチドやオリゴペプチド、またアミノ酸など、人体の吸収に適する栄養物質を生成している。
これによって、蜂の子のタンパク質の吸収利用率が高まり、その栄養効果、健康保健効果を増大させることが可能となる。
【0068】
(酸性プロテアーゼ)
酸性プロテアーゼ(Acid Protease)は、至適pHが酸性側にあるタンパク質分解酵素で、活性部位にアミノ酸のアスパラギン酸があり、アスパラギン酸プロテアーゼ(aspatric  protease)とも呼ばれる。
酸性プロテアーゼは、pHが2.0~4.0、温度が30~50℃の溶液において活性化する。
【0069】
(アルカリプロテアーゼ)
アルカリプロテアーゼ(Alkaline  Protease)は、至適pHが塩基性側にあるタンパク質分解酵素である。
アルカリプロテアーゼは、pHが8.0~11.0、温度が45~60℃の溶液において、活性化する。
【0070】
(中性プロテアーゼ)
中性プロテアーゼ(Neutral  Protease)は、至適pHが中性にあるタンパク質分解酵素である。
中性プロテアーゼは、pHが6.5~7.5、温度が45~52℃の溶液において、活性化する。
【0071】
(複合プロテアーゼ)
複合プロテアーゼは、特に各種糖タンパクを加水分解するために研究開発された高い効果をもつタンパク加水分解複合酵素である。これは主にエンドペプチダーゼ(endopeptidase)、エキソペプチダーゼ(exopeptidase)とフレーバーザイム(Flavourzyme)等から組成されている。エンドペプチダーゼによりタンパク質内部のペプチド鎖を中間から切断し、エキソペプチダーゼによりポリペプチド酵素の末端からアミノ酸を切断放出する。また、フレーバーザイムには加水分解産物の苦味と風味を改善する作用があり、動物タンパク、例えば鶏、豚、牛等の肉類や、魚、エビ類等の水産品のタンパク加水分解に広く用いることができる。
複合プロテアーゼは、pHが6.5~7.5、温度が55~60℃の溶液において、活性化する。
【0072】
(トリプシン)
トリプシン(trypsin)は、リジン、又はアルギニンのカルボキシル基側のペプチド結合を切断する。
トリプシンは、pHが5.5~7.0、温度が50~55℃の溶液において、活性化する。
【0073】
(ペプシン)
ペプシン(pepsin)は、タンパク質やペプチド鎖の酸性アミノ酸残基-芳香族アミノ酸残基と続く配列のカルボキシル末端側のペプチド結合を切断する。
ペプシンは、pHが1.5~2.0、温度が37~50℃の溶液において、活性化する。
【0074】
(パパイン)
パパイン(Papain)は、タンパク質やペプチド鎖の塩基性アミノ酸、グリシン及びロイシンと、続くアミノ酸とのペプチド結合を切断する。
パパインは、pHが3.0~9.0、温度が50~65℃の溶液において、活性化する。
【0075】
(ブロメライン)
ブロメライン(bromelin  ブロメリン)は、パイナップルから抽出される、システイン
プロテアーゼに分類されるタンパク質分解酵素である。
ブロメラインは、pHが6.0~6.8、温度が30~45℃の溶液において、活性化する。
【0076】
(ペプチダーゼ)
ペプチダーゼ(Peptidase)は、ペプチド結合を分解する酵素であり、例えば天津諾奥科技発展有限公司製のペプチダーゼ(型番号:TM-G-NA)を好適に用いることができる。
ペプチダーゼは、pHが4.0~8.0、温度が50~65℃の溶液において、活性化する。
【0077】
(フレーバーザイム)
フレーバーザイム(Flavourzyme)は、ノボザイムズ  ジャパン株式会社により製造された産業用酵素であり、高い加水分解率が実現されている。
フレーバーザイムは、pHが6.0~6.5、温度が50~60℃の溶液において、活性化する。
【0078】
(植物性プロテアーゼ)
植物性プロテアーゼは、新しく開発された一種の植物タンパク加水分解専用の複合酵素製剤である。これは主にエンドペプチダーゼ、エキソペプチダーゼとフレーバーザイム等から組成され、エンドペプチダーゼによりタンパク質内部のペプチド鎖を中間から切断し、エキソペプチダーゼによりポリペプチド酵素の末端からアミノ酸を切断放出する。また、フレーバーザイムには加水分解産物の苦味と風味を改善する作用がある。
植物性プロテアーゼは、pHが5.5~7.5、温度が55~65℃の溶液において、活性化する。
【0079】
(動物性プロテアーゼ)
動物性プロテアーゼは、新しく開発された一種の動物タンパク加水分解専用の複合酵素製剤である。これは主にエンドペプチダーゼ、エキソペプチダーゼとフレーバーザイム等から組成され、エンドペプチダーゼによりタンパク質内部のペプチド鎖を中間から切断し、エキソペプチダーゼによりポリペプチド酵素の末端からアミノ酸を切断放出する。また、フレーバーザイムには加水分解産物の苦味と風味を改善する作用がある。
動物性プロテアーゼは、pHが6.5~7.0、温度が55~60℃の溶液において、活性化する。
【0080】
(カテプシンA)
カテプシン(cathepsin)は、各種動物組織の細胞内(特にリソゾーム(lysosome)部分)で発見されたプロテアーゼである。この名はギリシア語の「消化」に由来し、ウィルステッター(1929)により命名された。カテプシンには、カテプシンA,B,C,D,Eなどの種類ある。これらは、その作用する代表的な基質(substrate)にもとづき分類され、それぞれに数種のアイソザイム(Isozyme、アイソエンザイム(Isoenzyme))が存在すると考えられている。
【0081】
カテプシンAの代表的な基質は、N-ベンゾイルオキシカルボニル-L-グルタミン-L-フェニルアラニン(N-Benzyloxycarbonyl-L-Glutamine-L-phenylalanine)で、一種のカルボキシペプチダーゼ(carboxypeptidase)と考えられている。ジイソプロピルフルオロリン酸(diisopropylfluorophosphate,DFP)又は、p-クロロマーキュリ安息香酸(p-chloromercuribenzoic  acid,PCMB)を用いて、失活させることができる。
カテプシンAは、pHが3.0~6.0(最適pHは約5.5)、温度が30~50℃の溶液において、活性化する。
【0082】
(カテプシンB)
カテプシンBは、ベンゾイル-L-アルギニン(Benzoyl-L-arginine)の加水分解を触媒する。活性のためにスルフヒドリル化合物(sulfhydryl  compounds,SH化合物)の存在が必要であり、パパイン(Papain)のエンドペプチダーゼ(endopeptidase)に類似すると考えられている。既に知られているものにB1とB2(又はB’とB)の2種がある。カテプシンBは、各種動物細胞のリソゾーム中に局在する。活性中心にシステイン残基を含むシステインプロテアーゼであり、タンパク質を低分子化する力が強い。
カテプシンBは、pHが5.0~7.0(最適pHは約6.0)、温度が30~50℃の溶液において、活性化する。
【0083】
(カテプシンC)
カテプシンCは、システインプロテアーゼである。スルフヒドリル化合物又は塩化物イオンにより活性化する。その代表的な基質はグリシル-L-フェニルアラニンアミド(glycyl-L-phenylalaninamide)であり、pH5付近でアミド結合(amido  bond)の加水分解を触媒する。受容体(acceptor)として、転移反応(Transfer  Reaction)を触媒し、ジペプジルアミノペプチダーゼ(dipeptidyl  aminopeptidase)I(第一反応により命名)、又はジペプチド(dipeptide又はジペプジルdipeptidyl)転移酵素(第二反応から命名)とも呼ばれる。
カテプシンCは、pHが6.0~7.0、温度が30~50℃の溶液において、活性化する。
【0084】
(カテプシンD)
カテプシンDは、pHが2.5~4.0のときに、消化酸変性のヘモグロビン(haemoglobin)又は血清アルブミン(serum  albumin)に対してエンドペプチダーゼ(endopeptidase)の作用を示す。スルフヒドリル化合物はその活性に対して影響せず、DFP(ジイソプロピルフルオロリン酸)によってその活性は抑制されない。カテプシンDは、リソゾーム酵素であり、温度が30~50℃の溶液において、活性化する。
【0085】
(カテプシンE)
カテプシンEは、pHが2.5~4.0のときに、消化酸変性のヘモグロビン(haemoglobin)又は血清アルブミン(serum  albumin)に対してエンドペプチダーゼ(endopeptidase)の作用を示す。スルフヒドリル化合物やヨード酢酸はその活性に対して影響せず、DFPによってその活性は抑制されない。
カテプシンEは、免疫担当細胞、とくに抗原提示細胞であるマクロファージや樹状細胞などに限局的に存在する。また、カテプシンEは、温度が30~50℃の溶液において、活性化する。
【0086】
(キモトリプシン)
キモトリプシン(chymotrypsin)は、セリンプロテアーゼの一種であり、芳香族アミノ酸のカルボキシル基側のペプチド結合を切断する。膵臓から分泌され、迅速に変性タンパク質を分解する。
キモトリプシンは、pHが5.5~7.0、温度が37~50℃の溶液において、活性化する。
【0087】
次に、本実施形態の蜂の子加工飲食品の製造方法について、図2を参照して説明する。同図は、本実施形態の蜂の子加工飲食品の製造工程を示している。
(A)粉砕工程
まず、雄の蜜蜂の子(以下、雄蜂の子という。)を乾燥して、100メッシュにまで粉砕する。このとき、雄蜂の子の乾燥は、フリーズドライ(冷凍乾燥)により行うことができる。また、雄蜂の子を粉砕するにあたっては、万能粉砕機、柴田粉砕機(柴田科学株式
会社製)、ボール・ミル(ball  mill)、振動ミル(Vibration  mill)等の粉砕設備を用いて行うことができる。
【0088】
(B)検査工程
次に、雄蜂の子が適切に粉砕できたかを検査する。このとき、100メッシュ標準のふるいを用いる。95%の通過率で合格とする。
【0089】
(C)懸濁工程
さらに、得られた雄蜂の子粉末を、酵素分解タンク中に置き、常温下において5倍の体積の脱イオン水(deionized  water)を酵素分解タンクに加える。
そして、充分に攪拌して、雄蜂の子粉末を全体に均一に含む懸濁液にする。このとき、攪拌時間は1~3時間とすることが好ましい。
【0090】
(D)(D’)(D”)pH調整工程
次に、濃度の異なるNaOH溶液とクエン酸溶液を使用して、溶液のpH値を調節する。オス蜂の子を含む水溶液のpH値は、オス蜂の子の産地や季節の違いにより差異がある。そこで、濃度の異なるアルカリ性溶液と酸性溶液を用いてpH値を調整し、オス蜂の子水溶液のpH値を比較的安定した数値に保持して、酵素分解の効率化を図っている。
なお、当該工程は、図2に示すように、以下の各分解工程の前に行われる工程である。
【0091】
(E)脂質分解工程
上記の方法により、溶液のpH値を6.0~11.0の範囲に調節するとともに、溶液の温度を15~45℃とし、原料の0.3~1.0%のリパーゼ(Lipase)を加えて酵素分解を行う。分解時間は、0.5~1hとすることが好ましい。
これによって、タンパク質の周囲に固まりを形成している脂肪を除去することができ、以下の工程において、タンパク質に対し、タンパク質分解酵素を充分に接触させることが可能となる。
【0092】
(F)タンパク質分解工程
次に、上記の方法で溶液のpH値を調整し、所定量のタンパク質分解酵素を加えて酵素分解を行う。
このときのpH値と溶液の温度、及びタンパク質分解酵素とその添加量は、それぞれ以下の(1)~(18)のようにすることができる。
【0093】
また、このタンパク質分解工程において、一のタンパク質分解酵素を用いることができるほか、複数のタンパク質分解酵素を用いてpH値調整とタンパク質分解を交互に行うことも可能である。このとき、用いるタンパク質分解酵素の順番は特に制限されない。
【0094】
(1)溶液のpH値を2.0~4.0の範囲に調節するとともに、溶液の温度を30~50℃とし、原料の0.01~0.06%の酸性プロテアーゼを加えて酵素分解を行う。
(2)溶液のpH値を8.0~11.0の範囲に調節するとともに、溶液の温度を45~60℃とし、原料の0.03~0.1%のアルカリプロテアーゼを加えて酵素分解を行う。
【0095】
(3)溶液のpH値を6.5~7.5の範囲に調節するとともに、溶液の温度を45~52℃とし、原料の0.3~1.0%の中性プロテアーゼを加えて酵素分解を行う。
(4)溶液のpH値を6.5~7.5の範囲に調節するとともに、溶液の温度を55~60℃とし、原料の0.1~0.6%の複合プロテアーゼを加えて酵素分解を行う。
【0096】
(5)溶液のpH値を5.5~7.0の範囲に調節するとともに、溶液の温度を50~5
5℃とし、原料の0.01~0.06%のトリプシンを加えて酵素分解を行う。
(6)溶液のpH値を1.5~2.0の範囲に調節するとともに、溶液の温度を37~50℃とし、原料の0.01~0.03%のペプシンを加えて酵素分解を行う。
【0097】
(7)溶液のpH値を3.0~9.0の範囲に調節するとともに、溶液の温度を50~65℃とし、原料の0.1~0.3%のパパインを加えて酵素分解を行う。
(8)溶液のpH値を6.0~6.8の範囲に調節するとともに、溶液の温度を30~45℃とし、原料の0.2~1.0%のブロメラインを加えて酵素分解を行う。
【0098】
(9)溶液のpH値を4.0~8.0の範囲に調節するとともに、溶液の温度を50~65℃とし、原料の0.1~0.3%のペプチダーゼを加えて酵素分解を行う。
(10)溶液のpH値を6.0~6.5の範囲に調節するとともに、溶液の温度を50~60℃とし、原料の0.1~0.3%のフレーバーザイムを加えて酵素分解を行う。
【0099】
(11)溶液のpH値を5.5~7.5の範囲に調節するとともに、溶液の温度を55~65℃とし、原料の0.1~0.6%の植物性プロテアーゼを加えて酵素分解を行う。
(12)溶液のpH値を6.5~7.0の範囲に調節するとともに、溶液の温度を55~60℃とし、原料の0.3~0.6%の動物性プロテアーゼを加えて酵素分解を行う。
【0100】
(13)溶液のpH値を3.0~6.0の範囲に調節するとともに、溶液の温度を30~50℃とし、原料の0.1~0.6%のカテプシンAを加えて酵素分解を行う。
(14)溶液のpH値を5.0~7.0の範囲に調節するとともに、溶液の温度を30~50℃とし、原料の0.1~0.6%のカテプシンBを加えて酵素分解を行う。
【0101】
(15)溶液のpH値を6.0~7.0の範囲に調節するとともに、溶液の温度を30~50℃とし、原料の0.1~0.6%のカテプシンCを加えて酵素分解を行う。
(16)溶液のpH値を2.5~4.0の範囲に調節するとともに、溶液の温度を30~50℃とし、原料の0.01~0.06%のカテプシンDを加えて酵素分解を行う。
【0102】
(17)溶液のpH値を2.5~4.0の範囲に調節するとともに、溶液の温度を30~50℃とし、原料の0.01~0.06%のカテプシンEを加えて酵素分解を行う。
(18)溶液のpH値を5.5~7.0の範囲に調節するとともに、溶液の温度を37~50℃とし、原料の0.01~0.03%のキモトリプシンを加えて酵素分解を行う。
以上の分解工程において、分解時間は、それぞれ3~6hとすることが好ましい。
【0103】
(G)糖質分解工程
次に、上記の方法で、溶液のpH値を5.4~7.0の範囲に調節するとともに、溶液の温度を30~40℃とし、原料の0.01~0.06%のβ-マンノシダーゼを加えて酵素分解を行う。分解時間は、1~3hとすることが好ましい。
【0104】
(H)酵素不活性化工程
酵素分解工程が終了すると、次に溶液の温度を80℃にまで上昇させて、溶液内の酵素の活性を消滅させる(不活性化する)。不活性化時間は少なくとも30分間程度とすることが好ましい。
【0105】
(I)濾過工程
次いで、酵素を不活性化した酵素分解溶液をフィルターで濾過し、得られた濾過液をタンク中に24時間安置する。
そして、上澄み液を取り出し、加圧濾過機に食品用の活性炭を充填して濾過を行い、澄み渡った濾過液を得る。
【0106】
(J)乾燥工程
最後に、得られた濾過液をスプレードライ乾燥機で乾燥する。このとき、入口温度を185~200℃、出口温度を65℃~80℃、流量を30~50L/hとすることが好ましい。
【0107】
得られた蜂の子加工物は、そのまま製品とすることもできるが、必要に応じて、造粒、打錠成形、カプセル化などの手段で成形し、製品とすることもできる。
また、例えばパン、水産練製品、畜肉練製品、乳製品等の食品や、清涼飲料、乳飲料、タンパク質補給飲料等の飲料に、栄養補強、生理活性付与の目的で添加することもできる。
蜂の子加工飲食品の製品形態としては、錠剤、カプセル剤、粉末、顆粒、液状、ペースト状、ゼリー状等の各種形態とすることが可能である。
【実施例】
【0108】
(実施例1)
乾燥後の雄蜂の子100gを100メッシュにまで粉砕して、100メッシュ標準のふるいを用いて適切に粉砕できたかを検査し、合格していることを確認した。
次に、得られた雄蜂の子粉末を酵素分解タンク中に置き、常温下で0.5Lの脱イオン水(deionized  water)を酵素分解タンクに加えて1時間攪拌し、雄蜂の子粉末と脱イオン水を均等な懸濁液にした。
【0109】
次に、6MのNaOH溶液を使用して、溶液のpH値を8.0に調節するとともに、溶液の温度を25℃とし、0.5g(原料の0.5%)のリパーゼを加えて40分間酵素分解を行った。
【0110】
次に、2Mのクエン酸溶液を使用して、溶液のpH値を7.0に調節するとともに、溶液の温度を48℃とし、中性プロテアーゼ(ZDB-G-5,広西南寧ホウ博生物工程有限公司製)を0.8g(原料の0.8%)加えて、4時間酵素分解を行った。
そして、溶液の温度を80℃とし、30分間溶液内の酵素の不活性化を行った。
【0111】
次に、溶液をフィルターで濾過し、得られた濾過液をタンク中に24時間安置し、上澄み液を取り出して、加圧濾過機に食品用の活性炭を充填して濾過を行い、澄み渡った濾過液を得た。
最後に、得られた濾過液をスプレードライ乾燥機で乾燥した。このとき、入口温度を190℃、出口温度を70℃、流量を40L/hとした。
以上の工程により、蜂の子粉末の加工食品が、83g得られた。
【0112】
(実施例2)
実施例1と同様にして、乾燥後の雄蜂の子100gを粉砕し、リパーゼによる脂質分解と、中性プロテアーゼによるタンパク質分解を行った。
次に、2Mのクエン酸溶液を使用して、溶液のpH値を6.0の範囲に調節するとともに、溶液の温度を35℃とし、0.04g(原料の0.04%)のβ-マンノシダーゼを加えて、2時間酵素分解を行った。
そして、溶液の温度を80℃とし、30分間溶液内の酵素の不活性化を行った。
【0113】
次に、溶液をフィルターで濾過し、得られた濾過液をタンク中に24時間安置し、上澄み液を取り出して、加圧濾過機に食品用の活性炭を充填して濾過を行い、澄み渡った濾過液を得た。
最後に、得られた濾過液をスプレードライ乾燥機で乾燥した。このとき、入口温度を1
90℃、出口温度を70℃、流量を40L/hとした。
以上の工程により、蜂の子粉末の加工食品が、84g得られた。
【0114】
(実施例3)
使用するタンパク質分解酵素として、アルカリプロテアーゼ(JDB-G-NA、天津諾奥科学発展有限公司製)0.05g(原料の0.05%)を用い、溶液のpH値を9.5に調節するとともに、溶液の温度を52℃として処理すること以外は、実施例2と同様に行い、蜂の子粉末の加工食品83gを得た。
【0115】
(実施例4)
使用するタンパク質分解酵素として、酸性プロテアーゼ(SDB-G-2,天津諾奥科技発展有限公司製)0.03g(原料の0.03%)を用い、溶液のpH値を3に調節するとともに、溶液の温度を40℃として処理すること以外は、実施例2と同様に行い、蜂の子粉末の加工食品85gを得た。
【0116】
(比較例1)
乾燥後の雄蜂の子100gを100メッシュにまで粉砕して、100メッシュ標準のふるいを用いて適切に粉砕できたかを検査し、合格していることを確認した。
次に、得られた雄蜂の子粉末を酵素分解タンク中に置き、常温下で0.5Lの脱イオン水(deionized  water)を酵素分解タンクに加えて1時間攪拌し、雄蜂の子粉末と脱イオン水を均等な懸濁液にした。
この懸濁液をスプレードライ乾燥機で乾燥した。このとき、入口温度を190℃、出口温度を70℃、流量を40L/hとした。
以上の工程により、蜂の子粉末の加工食品が、82g得られた。
【0117】
(比較例2)
実施例1の工程から脂質分解工程を省略し、酵素分解としては、タンパク質分解工程のみを行って、蜂の子粉末の加工食品82gを得た。
【0118】
(比較例3)
実施例2の工程から脂質分解工程とタンパク質分解工程を省略し、酵素分解としては、糖質分解工程のみを行って、蜂の子粉末の加工食品83gを得た。
【0119】
(試験例1)
実施例1により、脂質分解に次いでタンパク質分解を行って得られた蜂の子乾燥粉末と、比較例1により、これらのいずれの酵素分解も行うことなく得られた蜂の子乾燥粉末と、比較例2により、脂質分解を行うことなくタンパク質分解を行って得られた蜂の子乾燥粉末のそれぞれについて、常法によりペプチド分析用試料を調整し、マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析装置(MALDI-TOF-MS:Matrix  Assisted  Laser  Desorption  Ionization-Time  Of  Flight-MS)で分析した。
【0120】
その結果を図3、図4及び図5に示す。図3は、実施例1により脂質分解に次いでタンパク質分解を行って得られた蜂の子乾燥粉末からのペプチドのMSスペクトルである。図4は、比較例1により脂質分解及びタンパク酵素分解を行うことなく得られた蜂の子乾燥粉末からのペプチドのMSスペクトルである。図5は、比較例2により脂質分解を行うことなくタンパク質分解を行って得られた蜂の子乾燥粉末からのペプチドのMSスペクトルである。なお、図10において、各実施例及び比較例における酵素分解条件と対応する図面番号を示している。
【0121】
図4に示すように、蜂の子を酵素分解しなかった場合、ペプチドは主に分子量5000
付近に存在するだけである。一方、図3及び図5に示すように、タンパク質分解した場合、それらのピークが消失すると同時に、より低分子のペプチドが存在している。
このことは、タンパク質分解酵素よって蜂の子のタンパク質が人体にとって吸収しやすく、生物学的効能を有すると期待されている低分子のペプチドに分解されていることを示している。
【0122】
なお、図3及び図5におけるペプチドの主成分のピークは、図4におけるペプチドの主成分のピークにおけるもののみが分解されているのではなく、図4には表れていない高分子成分も分解され、図3及び図5におけるペプチドの主成分に含まれている。
【0123】
また、図3における主ピークの分子量1254のピークの高さは、図5における主ピークの分子量1875のピークの高さの約10倍であり、脂質分解後にタンパク質分解を行うことにより、低分子のペプチドの量が増大している。
このことは、脂質分解した後にタンパク質分解を行うことで、蜂の子のタンパク質はさらに効率的に低分子化されることを示している。
【0124】
(試験例2)
実施例1により、脂質分解に次いでタンパク質分解を行って得られた蜂の子乾燥粉末と、実施例2により、脂質分解に次いでタンパク質分解を行い、次いでさらに糖質分解(β-マンノシダーゼ分解)を行って得られた蜂の子乾燥粉末と、比較例1により、これらのいずれの酵素分解も行うことなく得られた蜂の子乾燥粉末と、比較例3により、脂質分解とタンパク質分解を行うことなく糖質分解を行って得られた蜂の子乾燥粉末のそれぞれについて、常法により糖質分析用試料を調整し、マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析装置(MALDI-TOF-MS:Matrix  Assisted  Laser  Desorption  Ionization-Time  Of  Flight-MS)で分析した。
【0125】
その結果を図6、図7、図8及び図9に示す。図6は、実施例1により脂質分解に次いでタンパク質分解を行って得られた蜂の子乾燥粉末からの糖質のMSスペクトルである。図7は、実施例2により、脂質分解に次いでタンパク質分解を行い、次いでさらに糖質分解を行って得られた蜂の子乾燥粉末からの糖質のMSスペクトルである。図8は、比較例1により、これらのいずれの酵素分解も行うことなく得られた蜂の子乾燥粉末からの糖質のMSスペクトルである。図9は、比較例3により、脂質分解とタンパク質分解を行うことなく糖質分解を行って得られた蜂の子乾燥粉末からの糖質のMSスペクトルである。
【0126】
図6及び図8において示されるように、β-マンノシダーゼによる糖質分解前は、分子量14700以上の糖質が存在している。一方、図7及び図9において示されるように、β-マンノシダーゼによる糖質分解後は、小分子量の糖質の存在量が増大している。
【0127】
また、図9において、糖質は分子量507付近のピークを主ピークとして、分子量486付近から分子量1200付近の範囲に分布している。
これに対して、図7において、糖質は分子量507付近のピークを主ピークとしているが、糖質の分布は、分子量420付近から分子量958付近の範囲であり、より小分子側に存在している。
このことは、蜂の子の糖質の分解は、脂質分解に次いでタンパク質分解を行い、さらに次いでβ-マンノシダーゼ分解することで、より効果的に行われることを示している。
【0128】
以上説明したように、本実施形態の蜂の子加工飲食品の製造方法によれば、タンパク質の酵素分解に先立って、まず脂質を分解し、タンパク質の分解効率を向上させることが可能となる。また、タンパク質分解に続いて糖質も分解して、蜂の子に含まれる脂質、タンパク質及び糖質を分解して得られる各成分を人体に効率的に吸収させることの可能な蜂の
子加工飲食品を提供することが可能となる。
その結果、次のような各種効果を、より適切に得ることが可能となる。
【0129】
まず、蜂の子の酵素分解によりタンパク質の栄養価値が減少されることはなく、酵素分解を行っていない蜂の子食品よりタンパク質について多くの効能を獲得し、栄養特性を増加させることができる。
【0130】
すなわち、酵素分解加工の過程において多くの思いもよらぬポリペプチド効能を獲得することができる。また、得られるポリペプチドは、純然な天然性、自然の属性を保ったままのものであり、いかなる化学物質も含有しない。さらに、本実施形態の酵素分解で得られたポリペプチドには、苦味や異臭がなく、アレルゲン性が改善されている。
【0131】
また、蜂の子加工飲食品に含まれるポリペプチドの分子量はコントロールすることが可能であり、これによって人体への栄養成分の吸収率を制御することも可能となる。
【0132】
なお、脂質分解酵素とタンパク質分解酵素の最適条件は上述したように異なり、単にこれらの酵素を混合して分解を行っても、条件に合致した酵素が活性化するのみで両方の分解を適切に行うことはできない。本実施形態に示される通り、まず先に脂質分解を行い、次いでタンパク質分解を行うことで、酵素分解の過程においてタンパク質の周囲に形成された脂肪を分解し、タンパク質とタンパク質分解酵素を効率的に接触させることができ、よりペプチドを小分子化させることが可能である。
【0133】
本発明は、以上の実施形態や実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内において、種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、スズメバチ、クロスズメバチ、クマバチ、アシナガバチなどの雄蜂の子も用いることも可能である。また、分解酵素として上記の物以外の種々のものも併せて用いるなど適宜変更することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0134】
本発明は、効率的にタンパク質を分解し、栄養機能、健康保健機能が高く、アレルゲン性のない品質に優れた蜂の子加工飲食品の製造に好適に利用することが可能である。
【符号の説明】
【0135】
(A)  粉砕工程
(B)  検査工程
(C)  懸濁工程
(D)(D’)(D”)  pH調整工程
(E)  脂質分解工程
(F)  タンパク質分解工程
(G)  糖質分解工程
(H)  酵素不活性化工程
(I)  濾過工程
(J)  乾燥工程

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